
- 作品名
- すみれ文ランプ
- 作者名
- ドーム兄弟(Daum Freres)
- 年代
- 1900年頃
- 説明
- 青と白の斑を封入した透明ガラス下地に、エッチング(ガラスを硫酸と弗化水素を混ぜ合わせた液体で腐蝕させ、模様を彫り出す技法)とエナメル彩(色ガラス粉を顔料とし、絵の具の様にガラス器に模様を描く技法)で、すみれを描いたランプ作品

- 作品名
- 鹿文花器
- 作者名
- ドーム兄弟(Daum Freres)
- 年代
- 1925年
- 説明
- 透明地に茶色地を重ねた厚地の二層被セガラス素地。
デザイン化された鹿と植物の模様がエッチングで浮き彫りされ、素地もエッチングで荒削りされている。

- 作品名
- チューリップ文花器(Tulip Vase)
- 作者名
- ドーム兄弟(Daum Freres)
- 年代
- 1909年
- 説明
- 中間層に装飾を施す、アンテルカレール技法で矢車草を表現し、アプリカッション技法とグラビュール技法により、チューリップを表現している。

- 兄は1878年、弟は1887年、それぞれ父のジャン・ドームがナンシーで経営していたガラス工場に入ってガラス工芸にたずさわる。
日用的なガラス食器等の製造をしていたが、1889年、エミールガレのパリ万博での成功を契機に、彼らの工場でも格調高い美術作品の生産を開始。アールヌーボー様式の優美な作品を数多く世に残した。
彼らもまた、ガレと同じく芸術表現のため、アンテルカレール(内部装飾技法)や、ヴィトリフィカシオンなどの装飾技法を開発し、ガラス工芸の表現の可能性を飛躍的に高めた。
また、パート・ド・ヴェール作家のアマルリック・ワルターをはじめ、ジャック・グリューベール、アンリ・ベルジェ他多くの芸術家をデザイン、制作、装飾の専門家として迎え、水準の高い美術ガラス作品を生産、市場に送り出すとともに、家具作家ルイ・マジョレルや、金工作家のエドガー・プラントとの共同製作も手掛け、ガラス以外の素材との組み合わせによる芸術表現も積極的に試みた。
ガレの工房が1931年に閉鎖したのとは対象的にドーム社は1920年代よりアールデコ様式の作品を手掛け、またそれ以降もクリスタルガラスのオブジェの制作やサルバドール・ダリのデザインによるパート・ド・ヴェールの作品を発表するなど時代の流行に即した作品を発表し続けた。
同社は現在も、高級クリスタルガラスの専門メーカーとしてクリスタル・ドームの社名で存続している。